「僕のフィルモグラフィーに純愛作品を入れてみたかったんです」
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「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」、「朝鮮ガンマン」、「アラン使道伝-アランサトデン-」などでアジア各国で高い人気を誇り、昨年12月に日本公開された映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』でハリウッド進出も果たした、今ノリに乗っている韓国イケメン俳優イ・ジュンギ。そんな彼を主演に迎えた中国映画『シチリアの恋』(林育賢監督/ハーク配給)が4月22日(土)からシネマート新宿ほか全国順次ロードショーとなる。

 『シチリアの恋』は中国・上海とイタリア・シチリアを行き来しながら、国境と地域を越えて愛を育む一組の男女の正統派ラブストーリー。イ・ジュンギは突然のシチリアへのオペラ留学宣言をし、フィアンセであるシャオヨウ(チョウ・ドンユイ扮)との関係にピリオドを打つジュンホを熱演。絶望したシャオヨウは、ジュノの突然のシチリア行を不信に思い、本当の理由を探ろうとするが…。愛する女性を最後まで守ろうとするジュンホの姿にきっと涙するはず!

そこで映画公開を記念して『シチリアの恋』について語るイ・ジュンギのインタビューをお届け!(※本作にはある秘密があります。インタビューの中、ネタバレはしていませんが、鑑賞後、再度インタビューをお読みいただければ、より理解が深まると思います)

――イ・ジュンギさんの8年振りのスクリーン復帰作は中国の純愛映画『シチリアの恋』となりました。まず本作への出演を決めた理由から教えてください

「実は前々から自分のフィルモグラフィーに純愛作品を一つぐらいは入れてみたいと思っていたんです。異国的なところで、国籍が違う二人の純愛ドラマという面で、新鮮に感じましたし、より惹きつけられたと思います。何よりもどのように描くことができるか非常に悩みました。一種の新しい挑戦としてチャレンジできると思い、やってみたいと思いました」


――イ・ジュンギさんは韓国から中国の大学に留学し、そこで出会った
シャオヨウ(チョウ・ドンユイ扮)と恋に落ち、その後上海のデザイン事務所に2人そろって就職し、小さなアパートで同棲を始める青年ジュンホを演じられました。ジュンホは突然、別れを切り出したりしますが、恋人に対して深い愛を持った男性だと思います。演じられてジュンホの生き方や姿はどのように思われましたか?

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「僕個人の意見としてもジュンホはとても好感の持てる人物だと思います。ある意味、僕の個人的な傾向と似ている気もします。男性ならこうでなくてはいけないという個人的な価値観もあります。ですので愛する人のためには悲しいけれど、彼女のより良い未来のためにはどうしようもない選択だと思います。もちろん考え方によってはジュンホは利己的だと言われてしまうかもしれません。僕は、愛する人が誰かを失うことで辛かったり、悲しかったりしてほしくないという思いがあります。愛する人のより良い人生のために自分なんて犠牲にできると思います」


――もしジュンホと同じ境遇にご自身がなってしまったら、イ・ジュンギさんならどんな生き方を選びますか?

「僕も同じような選択をすると思います。もちろん実際にそのような状況だとすれば映画よりは実際、判断に困ると思いますが。ただ、同じ方向ではないにしろ、ジュンホの気持ちと同じような何か他の選択を考えると思います」

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――恋人役のチョウ・ドンユイさんと共演して、いかがでしたか?

「彼女は本当に明るい方です。韓国のように上下関係や、礼節というようなものにとらわれない方でとても新鮮で、すぐに仲良くなりました。心も純粋でか弱いんですが自分の仕事に関してはプロフェッショナルに自分が持っているものを発揮していました。そのような彼女に非常に好感が持てました。本当に愛しい人を見る様な眼差しになるようお互い短い間に努力しないといけなかったんですが、常に僕が見つめると、その2倍のリアクションをしてくれるという、年下ながら僕を助けようとしてくれる意思も持っていました。積極的な僕の行動にちゃんと反応してくれてありがたかったです(笑)。今では妹のようで友人のような存在です。役者としても素晴らしい方です」


――シチリアの美しい景色もこの映画の重要な要素です。イタリアでの撮影はいかがでしたか?

「すでに上海で多国籍なスタッフたちとひと月ほど過ごしていたので、すでに皆さんと親しくなっていました。イタリアの美しい景色と、静かで温かい南部の雰囲気が本当に良かった記憶があります。イタリアでも多国籍スタッフがお互いを支えながら家族のような現場で仕事ができました」

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南イタリアはおすすめ

「チョウ・ドンユイさんとはたくさんの思い出があって、イタリアでもいたずらしあったりしながら楽しく過ごしました。そのせいか、イタリアでの最後の撮影の日はお互い寂しかった記憶があります。僕も少し泣きそうになりましたが、チョウ・ドンユイさんも泣きながら別れを惜しんでいました。本当に暖かく、美しい思い出として残っています。南イタリアはお忙しく日常を過ごされている皆さんに個人的にもおすすめしたいスポットです。人生の癒しの場そのもので、映画の最後の風景も映画の内容とぴったりでいつまでも記憶に残っています」


――印象的な撮影エピソードがあれば、教えてください

「クマの着ぐるみを被り、シャオヨウに自分が誰かを隠しダンスをするシーンが今でも記憶に残っています。最初に台本をもらった時から悲しく切ないシーンだと思っていたんですが、撮影当日、感情があふれ出てきてしまって…。チョウ・ドンユイさんや他のキャストと楽しく撮影はしたものの、クマの中で何度も泣いたのを覚えています。恐らく誰も気づいていなかったと思います。特に、チョウ・ドンユイさんが目の前で泣き出すと、僕もつられてしまって非常に困りました(笑)。その彼女の前でダンスをする自分の姿を想像すると、自分で言うのもなんですが本当に可愛そうですね」

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「現場はいつも楽しかったのですが、どうしても僕と他のキャストとは国籍が違った上、僕の中国語の実力が良くないので、ジェスチャーを交えながら皆少しでも近づこうと努力していました。現場のスタッフ全員が本当に親切で情に厚い方々ばかりでした。特にチョウ・ドンユイさんとは早く親しくならなくてはいけなかったんですが、僕は英語の勉強中で、彼女も当時英語を勉強していたので、二人で一緒になっておかしなセリフをふざけて言い合ったりしていました。撮影中は常に一緒に過ごしていて、撮影が終わると、しばらくは本当に寂しさを感じるほどでした」


――エンディング曲「For a while」はイ・ジュンギさんがプロデュースに参加された2014年11月リリースの自身のミニアルバム『EXHALE』に収録されている楽曲ですが、本作の林育賢監督が気に入って採用となったそうですが?

「はい。この曲を聞いた監督が映画でもぜひ使わせてほしいとリクエストをされたんです。歌詞の内容が映画のストーリーとも相当部分で通じる部分が多いんです。皆さんも映画をご覧になって、歌詞の一つ一つを思い出していただければ、映画の感動が倍になるのではと思います。あっ!歌手が僕だということは少しの間、忘れてください(笑)」

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《イ・ジュンギが歌う「For a while」は本作のエンディングテーマとして流れ、歌詞が字幕で紹介されるので、最後までお見逃しなく》

◇プロフィール

1982年4月17日生まれ。高校卒業後に俳優を目指し、01年にモデルとして芸能生活をスタート。映画『王の男』で〝女性よりも美しい男〟と称され観客を魅了。日本映画『ホテル ビーナス』や日韓合作『初雪の恋~ヴァージン・スノー~』にも出演し、日本でも人気を博す。ドラマ「イルジメ〔一枝梅〕」、「アラン使道伝-アランサトデン-」などアクション時代劇のヒーローとしてもトップクラスを独走する中、ハリウッド超大作シリーズ第6弾となる最終作『バイオハザード:ザ・ファイナル』に出演し、ハリウッド進出を果たす。

◇ストーリー

中国に留学した韓国人のジュンホ(イ・ジュンギ)から「俺の彼女になってほしい」と猛烈なアプローチを受けたシャオヨウ(チョウ・ドンユイ)は、その真っ直ぐな性格に惹かれ恋に落ちた。上海の同じ設計デザイン事務所で働くため、小さなアパートで幸せな同棲生活もスタートし、彼はプロポーズもしてくれた。なのにある日突然ジュンホから「別れよう」と切り出され、彼はイタリアへ旅立っていった。後に残されたシャオヨウは仕事も手につかず休暇を取り、1ヶ月以内に彼が自分の元に戻らなければ別れると決意するが…。